序言
本書の内容は、平成六年から七年間にわたって行われた、故張明澄先生の南華密教講座から、
「経典」の部分を抜粋し、解りやすくまとめたものです。
南華密教には、
経典
功夫(功法)
実学
秘術
という項目があり、「経典」については、膨大な仏典のなかから、無駄な部分を省略し、仏法の習得に役立つ、本質的な部分だけを取り出して解説しており、「功法」を行うためにも、是非必要な知識が集約されています。
また、『南華四部経』以外の「経典」につきましても、主要部分を解説しており、特に『円覚経』は、日本では重視されてきませんでしたが、「中国密教」や「中国禅」にとって、非常に重要な経典と言えます。
また、『如来蔵・真言』は、「仏胎」の功法には欠かせない、「真言」であり、自分の持っている「仏性」を引き出すという意味で、「禅」の「頓悟」以上に簡便な方法と言えます。
『南華四部経』の出版は、二十年来の懸案であり、たいへん遅くなりましたが、これをお読みいただければ、仏教に対する疑問はことごとく解消し、誰もが「悟りの智慧」に近づけるものと確信しております。
何卒ご愛読の程お願い申し上げます。
令和二年庚子
掛 川 東 海 金
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